自動でテストを実行してみよう
先ほど、関数に対してテストを作成しました。しかし、テストを毎回手動で実行したり、他人に対して実行したか確認したりするのは大変です。
そのため、テストの実行は自動化される必要があります。
今回は GitHub の機能の 1 つである Actions を使って、テストを自動化してみましょう。
GitHub Actionsについて
GitHub Actions は GitHub が提供している自動化サービスです。
Pull request が作成されたときや、main ブランチにマージされたときなど、様々なタイミングで自動的に処理を実行できます。
GitHub Actionsの設定
GitHub Actions でいつ、どのような処理を実行するかは、.github/workflows
ディレクトリに YAML ファイルを作成することで設定できます。
GitHub Actions で利用する YAML ファイルの構造は、以下のドキュメントに記されています。 https://docs.github.com/en/actions/using-workflows/workflow-syntax-for-github-actions
今回は、ci.yaml
というファイルを作成し、以下のように記述します。
name: CI
on:
push:
branches:
- main
pull_request:
jobs:
test:
name: Test
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Run tests
run: cargo test
以下、このファイルについて解説していきます。
name
name: CI
on:
push:
branches:
- main
pull_request:
jobs:
test:
name: Test
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Run tests
run: cargo test
name
は、この GitHub Actions の名前です。 ここに設定された名前が、実行時のログに表示されます。
on
name: CI
on:
push:
branches:
- main
pull_request:
jobs:
test:
name: Test
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Run tests
run: cargo test
on
は、この GitHub Actions が実行されるタイミングを設定します。 今回の場合は、「main
ブランチに push されたとき」と「Pull request が作成・更新されたとき」に実行されます。
jobs
on:
push:
branches:
- main
pull_request:
jobs:
test:
name: Test
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Run tests
run: cargo test
jobs
は、この GitHub Actions で実行する処理を設定します。
その中身について見ていきましょう。
runs-on
on:
push:
branches:
- main
pull_request:
jobs:
test:
name: Test
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Run tests
run: cargo test
runs-on
は、この GitHub Actions を実行する環境を設定します。今回は Ubuntu の最新バージョンを指定しています。
これ以外にも、Windows Server や macOS など、様々な環境の指定ができます。
steps
on:
push:
branches:
- main
pull_request:
jobs:
test:
name: Test
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Run tests
run: cargo test
steps
は、この GitHub Actions で実際に実行する処理を順番に記述していくところです。
uses
uses
は、GitHub Actions で提供されているモジュールを利用するための設定です。
例えば、actions/checkout@v4
は、リポジトリをクローンし、指定したブランチに移動するモジュールです。 デフォルトでは、Actions がトリガーされたブランチに移動します。
run
run
は、シンプルにコマンドを実行するための記法です。 ここでは、cargo test
を実行して、テストを実行しています。
課題
自動でビルドを行うワークフローを作成してみましょう。
答え
name: CI
on:
push:
branches:
- main
pull_request:
jobs:
test:
name: Test
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Build
run: cargo build